青森県十和田市の奥入瀬渓流。全長約14kmのこの渓流は、国の特別名勝および天然記念物に指定されています。
子ノ口(ねのくち)から焼山までのエリアには27もの景勝地があり、その自然美を感じるためにも、バスや車ではなく、できるだけ徒歩で楽しみたいところ。
しかし、14kmともなるとすべて徒歩はきついはず……いいえ、そんなことありません。私、徒歩で奥入瀬渓流踏破できました。
1.奥入瀬渓流について
まずは簡単に、奥入瀬渓流についておさらいしておきましょう。
(1)基本情報
奥入瀬渓流は青森県十和田市にあり、焼山方面から渓流を登った先には十和田湖があります。
渓流は全長14km、1952年には国の特別名勝および天然記念物に指定されました。
一般的には、奥入瀬渓流とは「焼山~子ノ口(ねのくち)」までの間を指すとされています。(わたし、子ノ口をずっと「このくち」って読んでました…お恥ずかしや。)
観光方法としては、渓流内を走行しているバスを利用して、要所要所で降りては乗ってを繰り返しながら進む方法により、観光する人が多いようです。自家用車だと、渓流内では駐車スペースがあまりないため、十和田湖までほぼノンストップで進まねばならず、あまり自然を楽しむ余裕はありません。また、徒歩で臨む場合は、トレッキングスタイル必須。
名称 | 奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう) |
住所 | 〒034-0301 青森県十和田市奥瀬60 |
駐車場 | 十和田湖側、下流の焼山ともにあり |
料金 | 無料 |
アクセス | 渓流の駅おいらせまで、 (1)JR青森駅から車で1時間10分 (2)JR青森駅からバス[十和田湖北/みずうみ号]で2時間 |
観光手段 | 渓流の駅おいらせから十和田湖(子の口水門)まで、 (1)徒歩:4時間~5時間 (2)バス:45分、奥入瀬渓流内に数か所乗降スポットあり |
関連HP | 十和田湖国立公園協会公式HP 青森県観光情報サイト公式HP |
ちなみに駐車場ですが、私は下流側の渓流の駅おいらせからさらに離れた場所に駐車しました。
このEVスタンドの左側一帯が広々とした駐車場になっていて、しかも無料で活用できます。スタート地点からは多少離れますが、これも運動!と思って歩きましたよ(‘ω’)bついでに街中の様子も見れたし、満足です。
(2)青森県十和田市について

青森県十和田市は、2005年に旧十和田市と十和田湖町が合併して誕生。平成の大合併のタイミングですね。
人口は、青森市、八戸市、弘前市について県内4位、市町村別のニンニクの生産量では日本一!
有名な観光地としては、この記事で紹介する奥入瀬渓流や十和田湖のほかに、「アートの街」の核としている十和田市現代美術館(フラワー・ホースが有名ですね)があります。
面白いなあと思ったのが、十和田湖はすべて十和田市のものではないということ。
なにやら、1871年の廃藩置県以降、長らく県境未確定の状態が続いていたらしいのですが、2008年の北海道・北東北知事サミットにて、青森6:秋田4の割合で湖面を確定することが決まったそうです。結構最近のことなんですね。
(3)奥入瀬渓流の見どころ
奥入瀬渓流の代表的なスポットは以下のとおりとなっています。
1)阿修羅の流れ

奥入瀬渓流で最も有名なスポット「阿修羅の流れ」。
ここでは、一眼レフを構えた人が何人もいて、みなさん本格的な写真を懸命に撮っておられました。私は…スマホ…(´・ω・`)え、Xperiaだってすごいんだからねっ
2)銚子大滝

十和田湖側、子ノ口(ねのくち)付近にある最後のスポット。
私が観光した時は、この子ノ口あたりから団体様のご高齢者ご一行が一斉に降りられて、細い道をゆーーったり歩いておられて…
人の流れが詰まって大変でした。しかも滝の前で固まられるので、あんまり写真も撮れず(´・ω・`)旅行会社さん、もうちょっとツアー参加者に自制心を求めることも必要じゃないでしょうかね…
2.徒歩で踏破した感想
(1)疲れたけど、勾配はゆるやか

私は奥入瀬渓流に徒歩で臨み、4時間30分で踏破しました。
単純に距離でいえば14km、ですが、道中勾配はそれほどきつい局面もなく、いつものウォーキング気分で歩き切ることができました。
距離だけで考えれば徒歩は無理筋だと考えてしまうかもしれませんが、基礎体力のある方であれば4~5時間で歩けると思います。
道中には休憩用のイスなんかもあったので、お昼ごはんをたべながらゆっくり時間をかけて自然を満喫するのもアリですね。
(2)バス、自家用車での観光について

徒歩のみだと時間がかかるため、観光手段としてバスや自家用車を活用する方もいます。
ただし、バスは要所要所でしか観光することができず、また普通の路線バス扱いとなるため、観光している時間を待ってはくれません。一度降りたら、次のバスが来るまでそのバス停で待つしかありません。
また、自家用車の場合も、駐車スペースが渓流内にあまりないことから、ゆったり自然を楽しむのには不適です。
やはり、時間はかかっても徒歩でゆっくり風や川の流れを感じながら観光するのがいいんじゃないかなあと、個人的には感じます。
3.踏破へのおすすめ装備・アイテム
全長14km、時間にして4時間30分ぶっ通しで歩く旅には、それなりの準備が必要。
私が持ち歩いていて便利だと感じたものをまとめておきますので、ご参考までに。
(1)トレッキングシューズ
徒歩踏破のための必須アイテム。
必ず準備して臨みましょう。道中、勾配こそありませんが、足元の状態が良くない(岩がごつごつしていたり、天候によってはぐずついていたり)エリアもあるため、足を守ってくれてかつしっかり地面を捕まえられるトレッキングシューズはマスト。
私はノースフェイスのトレッキングシューズを使っていますが、おしゃれなうえに履き心地もいい感じなのでおすすめ。
(2)水分
時期にもよりますが、1.5~2Lはあった方がいいです。
途中に自販機はないため、リュックが多少重くなるとしても用意しておきましょう。
(3)折り畳み傘・かっぱ
山の天気は変わりやすいと言いますが、奥入瀬渓流もなかなか。
私が歩いていた時も、突然雨が降ったりしました(天気予報で雨が降るかも、とは言われていたのですが)。
傘よりは、両手がフリーになる雨合羽がいいでしょう。
4.奥入瀬渓流の道中、写真で紹介
私が奥入瀬渓流を歩いた時の写真を。ぜひご自身で歩いて、自然を全身で感じてみてほしいです。
ここが私の徒歩の旅のスタート地点。「渓流の駅おいらせ」より手前の駐車場を利用したので、歩いた距離は少し長めになったかも。








訪問時は、いい具合に紅葉。


道中には、こんな感じの看板が立っていて、各景勝地までの距離を教えてくれます。奥入瀬渓流は迷うほど複雑な道はありませんが、目印にもなるので安心できますね。

もみじのオレンジが美しい。

運が良ければニホンカモシカに出会えるらしい。でも一人で歩いてるときに出会っちゃうと、きっと混乱しますね笑

苔がむしむし~

めっちゃぼやけとるやんけ…Xperia5さん(´;ω;`)下の写真、倒木がきれいに橋みたいになってる。リスとか小動物が渡れそう。


奥入瀬渓流で最も有名な「阿修羅の流れ」。こんな感じで人がたくさんいて、景色だけを撮るのも一苦労。

奥の方に見える白い1本の線が「千筋の滝」。奥入瀬渓流内には、このような名勝が27か所ほどあります。

どこを映してもきれいな景色。徒歩の疲れも覚えないほど、満たされるトレッキング。
まるでトンネルのように遊歩道に覆いかぶさる木も。これ、人による演出じゃなくて自然のいたずらなんだから凄い。


ブレブレの「銚子大滝」。えくすぺりあああああ

そして、徒歩の旅も終わりを迎えます。

これは、子ノ口にある水門。実際に水力発電も行われているみたい。

奥入瀬渓流、踏破。
十和田湖が見える。きれいだな。さて、十和田湖遊覧船にでも乗って徒歩の疲れを癒しましょうか…

((((;゚Д゚))))
運行見合わせ……いや、確かに子ノ口を超えたあたりから風が凄かったけれども。遊覧船、楽しみにしていたのでかなりショックでした(´;ω;`)
遊覧船→十和田湖バス停から焼山まで戻るつもりでいたのですが、仕方なく子ノ口から焼山まで戻ることに。きりたんぽ売ってたけど、徒歩の後にきりたんぽって気分でもなかったので、周辺をさらーっと見回ってバスで焼山まで戻りました。さようなら、奥入瀬渓流。

5.自然を感じるためにも、是非徒歩で
奥入瀬渓流を観光するのであれば、絶対に徒歩がおすすめ。
時間はかかるし、距離も14kmと長いですが、川の流れる音や風のさわやかさを全身でしっかり感じられるのは徒歩だけ。十和田湖から焼山まではバスも運行しているので、往路の奥入瀬渓流の観光は徒歩、復路はバスを利用すれば体力的にも時間的にも問題なし。
トレッキングシューズや水分の準備を怠らず、安心して、全身で自然を感じることができれば、日々の疲れやストレスも、きっと和らぐはずです。
以上、青森県十和田市の奥入瀬渓流踏破の記録でした。
≪次のおすすめ記事≫
同じく青森県十和田市にある蔦沼(つたぬま)。奥入瀬渓流の近くにあるため、奥入瀬渓流を踏破した後、昼過ぎに訪れたのですが、悲劇が…。これだけは覚えておいてほしい。「蔦沼を観光するなら絶対朝!」
comments